全国的な「まちなか・駅近居住」の高まりを受けて,高崎市都心部では2000年以降,マンション建設が盛んである.これまで存在しなかった全戸数が200戸を超す大型マンションが駅近傍に供給され,新築時の価格が1億円を超えた物件もある.一方,郊外部では比較的安価な戸建住宅が供給されている.資産形成途上の子育て世帯に人気があり,都心部のマンションと同様に需要は高い.人口減少期を迎えた地方都市の中には,当面の居住人口を確保するために郊外部の立地規制を緩和して,新たな宅地造成に積極的な自治体が存在する.居住機能を郊外部へ過度に拡散させることなく,人口減少・少子高齢化に資する住環境をいかに構築していくべきかが問われている.
(写真・説明:佐藤英人)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 335.
DOI:10.5026/jgeography.133.335
特集号「人口減少と地方 (Part Ⅱ) —行政・政策,ガバナンス,就業構造からの
アプローチ—」巻頭言
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 339.
DOI:10.5026/jgeography.133.339
地方都市外縁部における耕作放棄地の拡大
—転用期待の後退,圃場整備の遅滞,兼業農家の消滅—(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 343.
DOI:10.5026/jgeography.133.343
集約と拡散が混在する住宅需給の二面性—人口減少期を迎える高崎市の事例—(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 365.
DOI:10.5026/jgeography.133.365
1980年代後半以降における地方圏の県庁所在都市外縁部の動態
—盛岡都市圏を事例として—(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 387.
DOI:10.5026/jgeography.133.387
地方圏における地域包括ケアシステムの広域連携とマルチレベル・ガバナンス
—愛媛県宇和島圏域を事例に—(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 407.
DOI:10.5026/jgeography.133.407
2005年から2020年にかけての日本の周辺地域における雇用構造の変化と人口移動
—山陰地方を中心に—(英文)(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2024, 133(5), 429.
DOI:10.5026/jgeography.133.429