蘭州大学のミュオンイメージングチームは,長年にわたり,ミュオン検出器の高度化,順方向および逆解析アルゴリズムの改良,さらにデータ解析および可視化プラットフォームの構築に継続的に取り組んでいる.同チームは,文化財保護および鉱物資源探査の分野において,ミュオンイメージング技術の三次元可視化の実証に成功し,その有効性を明らかにしてきた.2023年には,中国甘粛省に位置する早子溝金鉱(Zaozigou Gold Mine)において,ミュオンイメージング観測を実施した.本研究では,周囲の母岩と比較して密度コントラストがごくわずかしか存在しない金鉱床の再構成という課題に取り組むとともに,高地におけるミュオンのエネルギースペクトルがイメージング性能に与える影響を評価した.その結果,坑道上部に分布する高密度の金鉱脈構造に加え,低密度の頁岩層および採掘跡領域を明瞭に再構成することに成功した.これらの成果は,従来の地球物理探査では把握が難しかった地下深部の密度変化を可視化する新しいアプローチを提示するものであり,中国におけるミュオンイメージング技術の鉱物資源探査への応用拡大に向けた重要な一歩といえる.上段の写真は,観測前に現地で準備中のミュオン検出器装置を示しており,下段の図は,早子溝金鉱の三次元ミュオン逆解析結果(カラーブロックは逆解析による密度構造,閉曲面は地質調査による地質境界を示す)を表している.
(写真・説明:Zhiyi LIU)
Overview of the Special Issue “Recent Advances in Muography”
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 559.
DOI:10.5026/jgeography.134.559
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 563.
DOI:10.5026/jgeography.134.563
ミュオメトリック補完測位・ナビゲーション・タイミング(英文)(寄書)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 567.
DOI:10.5026/jgeography.134.567
時間計測応用における銀河宇宙線利用に関するINRIM-VMI共同研究の
進捗状況(英文)(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 577.
DOI:10.5026/jgeography.134.577
MWPCを用いたミュオグラフィによる未発掘古墳の内部探査(英文)(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 587.
DOI:10.5026/jgeography.134.587
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 595.
DOI:10.5026/jgeography.134.595
ワジ・フィズ地域におけるサマイル・オフィオライトの初の
ミュオグラフィ観測(英文)(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 615.
DOI:10.5026/jgeography.134.615
ミュオグラフィによる二酸化炭素地中貯留モニタリングへの貢献(英文)(総説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2025, 134(6), 625.
DOI:10.5026/jgeography.134.625