岩手県野田村十府ヶ浦公園の南方,国道45号線(画面右奥)沿いの海岸近傍露頭.正面の露頭には灰白色の白亜系が露出する.右手のプレハブ小屋の陸側の草の生えた斜面には最近6500年間の複数の津波堆積物層が観察される.ここには,陸側からの河川の流入もなく,壊されやすい津波堆積物が奇跡的に保存されている(本特集,小野寺, 2023参照).さらに白亜系露頭頂部には,2011年の東北地方太平洋沖地震の津波でうち上げられた貝殻が観察される.この付近での最大遡上高さは約40mであった.ドローンにより海上から撮影(2021年7月).
(写真・説明:土屋範芳)
文 献
小野寺弘幸 (2023): 岩手県沿岸における津波堆積物を活用した教育活動.地学雑誌,132,297-308.
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 265.
DOI:10.5026/jgeography.132.265
特集号「地球科学とデータ科学に基づく津波堆積物研究の進展と津波防災への貢献(Part Ⅰ)
—津波堆積物を用いた古環境解析と防災教育—」巻頭言
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 269.
DOI:10.5026/jgeography.132.269
宮城県岩沼市における地球化学分析を用いた古環境復元と歴史津波堆積物の認定(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 275.
DOI:10.5026/jgeography.132.275
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 297.
DOI:10.5026/jgeography.132.297
静岡県浜松市の米津池跡で見られる1498年明応地震に伴う津波堆積物と環境変化(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 309.
DOI:10.5026/jgeography.132.309
東北地方太平洋沖地震による津波堆積物の堆積域の推定と重金属類の分布特性評価(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 327.
DOI:10.5026/jgeography.132.327
2011年東北沖津波の泥質・有機質津波堆積物—東北地方で見られた特徴—(英文)(総説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 341.
DOI:10.5026/jgeography.132.341
LA-ICPMSを用いた宮崎平野津波堆積物中のジルコンのU–Pb年代測定(英文)(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(4), 353.
DOI:10.5026/jgeography.132.353