最新号

地学雑誌 2023 132巻 1号

2023 132巻 1号

山陰海岸窓島の海食アーチ(めがね洞門)の調査風景

岩石海岸では,波の侵食によって多様な形態をもつ海食洞地形がつくられる.山陰海岸では切り立った断崖が連なるリアス海岸が代表的な景観となっており,百を超える海食洞もみられる.写真は流紋岩の岩体につくられたアーチ地形をドローン搭載のカメラから撮影したものである.海食洞は陸上からのアクセスが困難な断崖基部や離れ島に形成されていることが多く,その場合はボート(写真右下)を利用して調査する.舳先を接岸させて岩盤の強度や構造を計測するとともに,船上でドローンを操縦し多方向からアーチ地形を撮影している.画像から地形の三次元モデルを作成し,地形計測や岩石構造解析を行う.


(写真:小倉拓郎 2022年9月26日撮影;解説:松岡憲知)




総 説

テクトニクスに関連する非火山性温泉の地球化学的特徴

益田晴恵

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(1), 1.

DOI:10.5026/jgeography.132.1

論 説

小笠原諸島 母島の降水特性—父島と比較して—

松山 洋

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(1), 17.

DOI:10.5026/jgeography.132.17

本州太平洋岸の海食凹地形における地質条件の影響

篠原叶実・伊藤敦哉・小倉拓郎・松岡憲知

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(1), 33.

DOI:10.5026/jgeography.132.33

短 報

北部北上山地,下部白亜系原地山層の
 流紋岩および凝灰岩のジルコンU–Pb–Hf 同位体と全岩化学組成

原田拓也・長田充弘・小北康弘・鏡味沙耶・横山立憲

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2023, 132(1), 57.

DOI:10.5026/jgeography.132.57

地学ニュース

回顧録No.16

  • 90年間の学歴(1)—駆けだしまで—
       杉村 新

令和2年度助成金報告

  • 持続可能な海の環境と管理を考える
     —市民参加型マッピングワークショップで海中景観を可視化する試み—
       大木優利
  • 新生代および現代日本列島ダイナミクスの新しい描像
       木村 学
  • 第5回斜面防災世界フォーラム
       佐々恭二

令和3年度助成金報告

  • 北海道南西部の内浦湾北岸に立地する北黄金貝塚周辺の
     完新世における環境変遷
       小野映介・小岩直人・佐藤善輝
  • 北海道東部太平洋側の特異な地質基盤に起因する植生・気候・文化・産業
       平野直人
  • 三浦半島北東部のオルドバイおよびレユニオン正磁極亜帯層準の地層と化石
       間嶋隆一・楠 稚枝・野崎 篤・中谷是崇・宮坂慎太郎・
       瀬戸大暉・小長谷美沙・三宅由樹・吉岡七海・岩崎翔太・
       清水秀倫・宇都宮正志・河潟俊吾・林 広樹・岡田 誠
  • 観光サービスの戦略的集中化に基づくスキーリゾートの地域的特性
     —フランスのラ・グラーブにおけるバックカントリースキーの発展事例より—
       吉沢 直
  • 地学者 望月勝海の日記の科学史・教育史的研究
       山田俊弘・矢島道子・須貝俊彦・島津俊之
  • 上総層群黄和田層の酸素同位体・微化石・テフラ層序に基づく
     下部更新統模式層序の確立
       桑野太輔・亀尾浩司・久保田好美
  • 近世日本で使用された銃弾鉛の原産地推定
     —日本列島における鉛鉱山のPb同位体組成の地球化学的特性の解明—
       相澤正隆・新城竜一・溝田智俊・安井光大

書評

  • 丸山茂徳・戎崎俊一・金井昭夫・黒川 顕:冥王代生命学(鳥海光弘)
  • 水越 武:アイヌモシ オオカミが見た北海道(岩田修二)

協会記事

  • 理事会(令和4年度第2回理事会)

会告

  • 令和5年度調査・研究および国際研究集会助成金交付申請の受付について

奥付