写真は,南米アルゼンチンのパタゴニア南部の大平原に露出する新生代暁新世(約6500万年から6200万年前)の地層から洗い出された巨大な珪化木である.場所は,アルゼンチン共和国チュブ州サルミエント市郊外にある「サルミエント化石の森」と呼ばれる自然保護区(南緯45度47分,西経68度57分)である.1880haもの広大な敷地内には,火山灰や灰色,赤色,紫色をした砂岩層が現れていて,遊歩道沿いで地層から洗い出された無数の珪化木を見ることができる.この化石の森は,1927年に発見され1970年代頃から観光地となっていたが,2001年に州の自然保護区に指定された.ヤシ類やシダ類,針葉樹など幹からなる珪化木は,大きなものでは直径1m大,長さ数mに及ぶものがある.この地域は昼夜の寒暖の差が激しく,地層や化石にひび割れができやすい.厳冬期には,珪化木の割れ目にしみ込んだ水分が凍結・膨張して,珪化木を細かく破壊する.その砕けた無数の小片が,まるでウッドチップのように地面を覆っている場所もある.
(写真・説明:平田大二)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 1.
DOI:10.5026/jgeography.129.1
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 21.
DOI:10.5026/jgeography.129.21
破片化した過去の前弧堆積盆地
─関東・南東北に散在する和泉層群東方延長の白亜系・古第三系砂岩─
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 49.
DOI:10.5026/jgeography.129.49
中心核なき合併市町村の地域振興政策における地域イメージ戦略
─山梨県北杜市を事例としたスケール論からの考察─
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 71.
DOI:10.5026/jgeography.129.71
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 89.
DOI:10.5026/jgeography.129.89
関東地方,荒川狭窄部における河成段丘発達過程および
荒川本流の河床縦断面形変化史に関する再検討
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 123.
DOI:10.5026/jgeography.129.123
日本海東縁,上越沖のメタンプルームによるメタン運搬量見積もりの検証
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 141.
DOI:10.5026/jgeography.129.141
E. ナウマン著「富士山の高さについての覚書」邦訳の修正
─矢島道子・山田直利:地学雑誌,122巻,535‒538 の追記─
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2020, 129(1), 147.
DOI:10.5026/jgeography.129.147