最新号

地学雑誌 2019 128巻 6号

2019 128巻 6号

西オーストラリア,バーラップ半島の岩塊斜面

赤銅色をした,太古代のグラノファイアーの岩塊が写真の丘をつくっている.丘頂高度は約30mで,南緯20.6°,西オーストラリア州・ダンピア(バーラップ半島,ピルバラ地区)に位置する.この一帯の気候は,約8km離れたカラサでの観測によると最高気温は48.2℃に達し,年降水量297mmと砂漠のようである.岩塊は節理に沿って割れ,生産されたのであろう.いずれも角張っており,大きいもので長径2m程度である.岩塊の色は,表面に発達する砂漠ワニスに起因する.先住民アボリジニは,その表面を削って人,動物,幾何学模様などオーストラリアでもっとも多くの岩絵を残した.このため,考古学的に重要な場所を含む土地は,ムルジュガ国立公園に指定され保護されている.


(写真・説明:藁谷哲也 2019年3月20日撮影)


論 説

2017年九州北部豪雨による赤谷川流域の氾濫の実態と
 地形分類に基づく被災家屋の立地分析

南雲直子・江頭進治

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 835.

DOI:10.5026/jgeography.128.835

関東大震災,空襲と町丁別にみた東京中心部の社会‒空間パターン変化(1920‒1965)

梶田 真

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 855.

DOI:10.5026/jgeography.128.855

水月湖から掘削されたSG93およびSG06コア試料中の
 可視テフラ層の岩石学的特性(英文)

丸山誠史・竹村恵二・平田岳史・
山下 透・檀原 徹

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 879.

DOI:10.5026/jgeography.128.879

短 報

関東平野猿島・筑波台地に分布する上部更新統下総層群常総層にみられる
 MIS 5c の指標テフラ含有層

秋山大地・須貝俊彦・岡崎浩子・
中里裕臣・大井信三

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 905.

DOI:10.5026/jgeography.128.905

中山道を歩くインバウンド・ツーリズム─欧米系ツーリストの来訪動機に着目して─

市川康夫

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 921.

DOI:10.5026/jgeography.128.921

寄 書

景観としての水中火山岩─室蘭市絵鞆半島の外海岸急崖の産状─

山岸宏光・畑本雅彦・鎌田光也・志村一夫

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 941.

DOI:10.5026/jgeography.128.941

ローヌ氷河の後退と氷河湖Rhoneseeの拡大
 ─写真と図で見るローヌ氷河とローヌ湖の変貌─

小元久仁夫

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 953.

DOI:10.5026/jgeography.128.953

訂正

訂正:伊吹山系池田山東麓の扇状地群における段丘面の形成年代 [地学雑誌 Vol. 127 (2018) , No. 1, p.73-87]

高場智博・吉田英嗣・須貝俊彦

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(6), 959.

DOI:10.5026/jgeography.128.959

地学ニュース

平成30年度助成金報告

  • 白亜紀炭酸塩殻の化学組成分析による白亜紀アンモナイト類,
     オウムガイ類の基礎代謝の推定
       田近 周・西田 梢
  • 亜熱帯モンスーン・高起伏衝突変動帯における地殻変動‒気候変動を誘因とする
     カタストロフィックな斜面変動史の解明
       八木浩司
  • 戦時期の日本における地形図の改描に関する基礎的研究
       山田 誠
  • 北海道地殻構造トランセクトの構築
       在田一則・岩崎貴哉・津村紀子
  • 柏崎西方の円錐台地形と海底泥火山の関係を明らかにする
       蛭田明宏
  • 千葉複合セクションにおける松山‒ブルン地磁気極性反転イベントの
     完全復元
       羽田裕貴・岡田 誠・菅沼悠介・川又基人
  • 八幡平火山群の湿地発達に地形変化と気候変動が及ぼす影響
       佐々木夏来・須貝俊彦
  • ツーリズム産業における労働者の特徴と構造からみた
     国際リゾートの持続性について─カナダ,ウィスラーを事例に─
       小室 譲
  • 第11回地球の大気循環復元会議(ACRE-11)関連合同会議報告
       松本 淳

書評

  • 内田悦生・高木秀雄編,高木秀雄・山﨑淳司・円城寺 守・小笠原義秀・
     太田 亨・守屋和佳・内田悦生・大河内 博・香村一夫著:
     地球・環境・資源─地球と人類の共生をめざして─第2版(平田大二)
  • 矢島道子:地質学者ナウマン伝─フォッサマグナに挑んだお雇い外国人─
     (小川勇二郎)
  • Junzo KASAHARA, Michael S. ZHDANOV and Hitoshi MIKADA eds.:
     Active Geophysical Monitoring Second Edition(藤井直之)
  • 増田富士雄編著:ダイナミック地層学─大阪平野・神戸 六甲山麓・京都盆地の
     沖積層の解析─(田村 亨・荒谷 忠)
  • 西村祐二郎・鈴木盛久・今岡照喜・高木秀雄・金折裕司・磯﨑行雄:
     基礎地球科学(第3版)(谷 健一郎)
  • 新刊紹介

協会記事

  • 理事会(令和元年度第4回理事会)
  • 訃報

会告

  • 令和2年度調査・研究および国際研究集会助成金交付申請の受付について

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