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地学雑誌 2015 124巻 2号

2015 124巻 2号

東日本大震災直後の南三陸町志津川地区の航空写真(2011年3月14日11:30,撮影:アジア航測(株))

宮城県南三陸町志津川地区は東北地方太平洋沖地震の発生から約30分後,大津波に襲われ壊滅的な被害が生じた.津波の高さは 14〜15 m,遡上高はおおむね 15〜20 mに達した.この写真が撮影された震災3日後の時点では被災者の安否はほとんどわかっておらず,航空写真は被災状況確認に役立った.最終的な人的被害は,南三陸町で死者619名,行方不明219名(2014年3月7日消防庁発表)であった.被害に遭われた多くの方に改めて哀悼の意を表します.

(説明:鈴木康弘)


特集号:東日本大震災の地理学的検証—津波・地盤災害の多様性と地域性—

Overview of Special Issue: “Geographical Investigation on the 2011 Great East Japan Earthquake Disaster, Focusing on the Regional Diversity of Tsunamis and Geo-hazards”(英文)

Yasuhiro SUZUKI, Yohta KUMAKI, Toshihiko SUGAI and Nobuhiko SUGITO

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 147.

DOI:10.5026/jgeography.124.147

特集号「東日本大震災の地理学的検証—津波・地盤災害の多様性と地域性—」巻頭言

鈴木康弘・熊木洋太・須貝俊彦・杉戸信彦

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 151.

DOI:10.5026/jgeography.124.151

津波浸水域データと数値標高モデルのGIS解析に基づく2011年東北地方太平洋沖地震の津波遡上高の空間分布(論説)

杉戸信彦・松多信尚・石黒聡士・内田主税・千田良道・鈴木康弘

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 157.

DOI:10.5026/jgeography.124.157

津波遡上高の詳細分布から推定される2011年東北地方太平洋沖地震の断層モデル(論説)

松多信尚・鈴木康弘・杉戸信彦・中田 高・渡辺満久

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 177.

DOI:10.5026/jgeography.124.177

津波による人的被害の地域差はなぜ生じたのか(論説)

高橋 誠・松多信尚

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 193.

DOI:10.5026/jgeography.124.193

東北地方太平洋沖地震による仙台平野・石巻平野の津波被災度と地形・土地利用との関連(論説)

小荒井 衛・中埜貴元・岡谷隆基

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 211.

DOI:10.5026/jgeography.124.211

電柱を指標とした津波挙動分析(短報)

堀 和明・鈴木宗親・前田一樹

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 227.

DOI:10.5026/jgeography.124.227

三陸海岸における津波による侵食地形の特徴—地上レーザ測量による解析—(論説)

早川裕弌・小口 高・齋藤 仁・小林明才・小松吾郎・後藤和久

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 241.

DOI:10.5026/jgeography.124.241

地形分類情報を用いた液状化ハザード評価基準の再考(短報)

中埜貴元・小荒井 衛・宇根 寛

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 259.

DOI:10.5026/jgeography.124.259

東日本大震災および既往地震による液状化と沖積層分布(短報)

須貝俊彦・本多啓太

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 273.

DOI:10.5026/jgeography.124.273

我孫子市の液状化被害とそれを教訓としたハザードマップの改訂(短報)

宇根 寛・青山雅史・小山拓志・長谷川智則

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 287.

DOI:10.5026/jgeography.124.287

切盛境界把握のための旧地形の標高計測手法と精度検証(短報)

石黒聡士・佐野滋樹・長谷川智則・鈴木康弘

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), 297.

DOI:10.5026/jgeography.124.297

口絵

口絵1:2011年東北地方太平洋沖地震「津波遡上高分布図」(宮城県気仙沼市本吉町付近)

杉戸信彦・松多信尚・石黒聡士・内田主税・佐野滋樹・千田良道・鈴木康弘

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), vii.

DOI:10.5026/jgeography.124.vii

口絵2:三陸海岸姉吉地区における津波侵食地形とその測量調査

早川裕弌・小口 高・齋藤 仁

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), viii.

DOI:10.5026/jgeography.124.viii

口絵3:東日本大震災からの復興状況

渡辺満久・熊木洋太

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), ix.

DOI:10.5026/jgeography.124.ix

口絵4:2011年東北地方太平洋沖地震直後の航空写真アナグリフ

鈴木康弘・松多信尚・杉戸信彦

Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2015, 124(2), x.

DOI:10.5026/jgeography.124.x

地学ニュース

回顧録(No. 7)回想—第4部:研究の歩み(地球から太陽系へ)

  • 小嶋 稔

書評

  • 諏訪兼位:地球科学の開拓者たち—幕末から東日本大震災まで—(岩波現代全書053)(水谷伸治郎)
  • 総合地球環境科学研究所編:地球環境学マニュアル1—共同研究のすすめ—
  • 総合地球環境科学研究所編:地球環境学マニュアル2—はかる・みせる・読みとく—(菊地俊夫)
  • 藤岡換太郎・平田大二編著:日本海の拡大と伊豆弧の衝突—神奈川の大地の生い立ち(高木秀雄)
  • 田澤堅太郎:火山 伊豆大島スケッチ—改訂・増補版—(平井幸弘)
  • 新刊紹介

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  • 平成27年度東京地学協会行事のお知らせ(1)

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