Sentinel-1の時系列解析による累積変動とALOS-2の差分干渉 SAR画像によるハワイ島キラウエア火山2018年噴火にともなう様々な地表変動
Sentinel-1時系列解析(Cバンド,昇順トラック124,2018年4月20日– 8月24日)をキラウエア火山全域で行なった.Cバンドは,植生による影響が大きく干渉性が失われやすいため,キラウエア火山東側のリフト・ゾーン下部(図中“LERZ”)の東側はその影響が小さいALOS-2/PALSAR-2の差分干渉画像( Lバンド,トラック089,2018年1月20日– 5月22日)を用いて解析した.なお,画像のカラースケール1サイクルは12cmの変動量を表し,衛星に近づく向きに,シアン–マゼンダ–黄色の順番に変化してもとの色に戻るように表示した.キラウエア山頂南西側の縞模様は,山頂直下とカルデラの圧力源の収縮による沈降を示す.図中“ MERZ”の縞模様は,山頂とMERZにおけるマグマの収縮による沈降を示す.これは,LERZにおける岩脈貫入と溶岩流出を引き起こした.海岸に向かう粗い縞模様はキラウェア火山南山腹において2018年5月4日に発生したM6.9の地震によるものである.
謝 辞
解析は,米国航空宇宙局(NASA)との契約のもと,カリフォルニア工科大学(Caltech)ジェット推進研究所(JPL)で行われた.Sentinel-1 Copernicusデータは,Copernicus Open Access Hubおよび欧州宇宙機関(ESA)より,ALOS-2/PALSAR-2データは,宇宙航空研究開発機構(JAXA)より提供され,JPLのARIAプロジェクトで処理された.ALOS-2/PALSAR-2データの所有権はJAXAにある.
(表紙:© 2019JPL-Caltech; データ解析・説明:Paul LUNDGREN,日本語説明:田中 明子)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 359.
DOI:10.5026/jgeography.128.359
静岡県東部地震(2011年3月15日,Mj6.4)による
富士山周辺域のG‒R則のb値の空間分布への影響
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 377.
DOI:10.5026/jgeography.128.377
中央構造線(MTL)の活動開始時期
─三河大野-伊平地域の低角度MTL に隣接する
三種類の白亜系砂岩の砕屑性ジルコン年代からの制限─
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 391.
DOI:10.5026/jgeography.128.391
ALOS-2のSAR によって捉えられた
2016年の大雨による釧路湿原の2.5mを超える地表変位
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 419.
DOI:10.5026/jgeography.128.419
主成分化学組成と14C年代による
白山火山に産出するアルカリ岩質テフラ(Hm-2テフラ)と
鬱陵島テフラとの対比
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 439.
DOI:10.5026/jgeography.128.439
山梨県南アルプス市築山における
糸魚川‒静岡構造線断層帯南部区間の平均変位速度
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 453.
DOI:10.5026/jgeography.128.453
P波初動の水平面内振動方向を用いた震央決定の教材
─2011年東北地方太平洋沖地震の発生前後の飛騨地方の微小地震を例にとって
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 465.
DOI:10.5026/jgeography.128.465
訂正:J. J. ライン著「ライン博士の1874 年日本旅行」邦訳 [地学雑誌 Vol. 127 (2018) , No. 6, p.805-822]
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 477a.
DOI:10.5026/jgeography.128.477a
訂正:「浅間山北麓嬬恋村におけるキャベツの収穫風景」 [地学雑誌 Vol. 128 (2019) , No. 2, 表紙]
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(3), 477b.
DOI:10.5026/jgeography.128.477b