表紙は, 地球誕生後からはじめの約6億年間における層状構造の進化のようすを示した模式図である.4.55Gaにドライな地球が誕生したあと, 4.53Gaまでにマントルは固化し層状構造を形成した.この時はスタグナントリッドテクトニクスが機能していた.4.37–4.20GaにABEL爆撃が起き, ドライな地球に大気・海洋成分が二次的に付加された.巨大隕石の衝突によって, スタグナントリッドは破壊され,プレートテクトニクスへと移行した.そして, 構造侵食によって原初大陸はマントル深部へと運ばれ, 密度のもっとも高いKREEP I 玄武岩は4.0Ga頃までにほぼすべてがコア–マントル境界へ崩落した.コア直上に蓄積したKREEP I 玄武岩は放射性元素を多量に含むために自己発熱し, プルームを形成した(Maruyama et al., 2018).
(丸山茂徳)
文 献
Maruyama, S., Santosh, M. and Azuma, S. (2018): Initiation of plate tectonics in the Hadean: Eclogitization triggered by the ABEL Bombardment. Geoscience Frontiers, 9, 1033–1048.
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 569.
DOI:10.5026/jgeography.127.569
特集号「冥王代の世界(Part I)─ハビタブルトリニティ惑星の誕生─」巻頭言
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 573.
DOI:10.5026/jgeography.127.573
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 577.
DOI:10.5026/jgeography.127.577
ハビタブルトリニティモデルと太陽系におけるハビタブルプラネットの存否(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 609.
DOI:10.5026/jgeography.127.609
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 619.
DOI:10.5026/jgeography.127.619
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 631.
DOI:10.5026/jgeography.127.631
ドライな還元地球の誕生と大気海洋成分の二次的付加で説明されるABELモデルと,
生命惑星誕生におけるABEL爆撃の重要性(総説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 647.
DOI:10.5026/jgeography.127.647
カナダ,ラブラドル・ヌリアック表成岩類の地質と年代
─地球最古の表成岩とプレートテクトニクスの証拠─(総説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 683.
DOI:10.5026/jgeography.127.683
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 705.
DOI:10.5026/jgeography.127.705
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2018, 127(5), 723.
DOI:10.5026/jgeography.127.723