写真は,浅間北鹿の群馬延嬬恋村におけるキャベツの収穫風景である.嬬恋村はキャベツ生産量日本一の山村であり,第二次世界大戦後,夏冷涼な気候と東京大都市圏への近接性の向上により,都市市場へのキャベツの供給地として発展した.政府と群馬県は,農家の栽培面積を増加させるため,国有林を開発して農地を造成した.今日,嬬恋村の農家の平均耕作面積は4haであり,大規模な農家の耕作面積は16haに達している.嬬恋村における農地の分布は, 標高900m から1,400m 付近まで拡大している.嬬恋村の収穫期間は7月から10月までであるが,近年の温暖化によって収穫期間が長くなり,耕作地の立地標高も上昇している.キャベツ栽培は機械化が進んでいるが,収穫は人手を不要としている.しかし,農家が収穫期間に労働力を限定的に確保することは,日本の労働市場の構造から困難である.そのため,多くの農家におけるキャベツの収穫は外国人労働力に依存している.
(写真・説明:西野寿章 2015年8月22日撮影)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 155.
DOI:10.5026/jgeography.128.155
特集号「日本農業の存続・発展戦略─その地域的差異と基盤を探る─」巻頭言
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 163.
DOI:10.5026/jgeography.128.163
都市住民との交流を基盤とする都市農業の存続・成長戦略
─東京都小平市の事例─(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 171.
DOI:10.5026/jgeography.128.171
北海道の大規模畑作地帯における販売面に関する取り組みの多様化と
その背景,課題(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 189.
DOI:10.5026/jgeography.128.189
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 209.
DOI:10.5026/jgeography.128.209
愛知県田原市における輪ギク生産地域の維持・発展システム
─生産者のネットワークに注目して─(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 235.
DOI:10.5026/jgeography.128.235
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 255.
DOI:10.5026/jgeography.128.255
銘柄和牛肉の再生産構造─岩手県奥州市「前沢牛」の事例─(論説)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 277.
DOI:10.5026/jgeography.128.277
大規模野菜産地の持続要因─群馬県嬬恋村を事例として─(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 301.
DOI:10.5026/jgeography.128.301
岡山県の中山間地域における農業の存続可能性
─真庭市川上地区における農産物直売所を事例として─(短報)
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 323.
DOI:10.5026/jgeography.128.323
Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 2019, 128(2), 337.
DOI:10.5026/jgeography.128.337